システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描く電撃文庫の異色作『なれる!SE』。本企画は、その主人公&ヒロインである桜坂工兵と室見立華による“中二っぽい”IT用語の解説コーナーだ。
このコーナーはIT用語の中でも特に中二っぽい単語(※)を取り上げ、その意味と語感のギャップをゆるく楽しんでいくものです。
優秀な中二病の少年少女をIT業界にスカウトすべく始まったこの企画。今回もガンガン攻めていくわよ!
(PRRRと電話のシグナル音)
はい、桜坂です。……何? 本当か。……分かった、ついに始まるんだな。……了解だ。ヨーロッパ支部にも伝えておく。……ああ、全ては《グレートオーダー(大いなる意思)》の御心のままに。ゾルキ・ウモ=ダバ・ラサ(がちゃりと電話を切る)
何やってんの? どこにも繋がってない電話で。さっきのも呼び出し音じゃなくて携帯のアラームよね?
ふっ、《組織》の科学力があれば着信音をアラームに変えるなんて造作もないことです。そして通話履歴が残らないよう画面に話中表示を出さないのはデフォ、標準装備。《組織》の科学力は世界一ィィィィ!
どうでもいいけど、そういうのぺらぺら喋っちゃっていいわけ……? 機密保持的に。
秘密を知った人間は消されるので大丈夫です。
迷惑極まりないわね……。
ちなみに《組織》の真の名は厳重に隠匿され仄めかすことさえ許されません。ただ僕のような上位階梯者に限り、他人にその名を明かすことが許されています。聞きたいですか? 聞きたいですよね?
いや?
ふっふっふ、そこまで言うなら教えてさしあげましょう。世界の裏側で暗躍する秘密組織、その名は……ファントムリード!
………
(こいつ、意外と人の話聞かないわよね……)
(※)思春期の男の子女の子がぐっとくるようなカッコイイフレーズ、名前。ポーズをつけて叫んだりするとなお可。ただし大人になってから同じ単語に接するとなぜか赤面してしまう不思議。
