システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描く電撃文庫の異色作『なれる!SE』。本企画は、その主人公&ヒロインである桜坂工兵と室見立華による“中二っぽい”IT用語の解説コーナーだ。
このコーナーはIT用語の中でも特に中二っぽい単語(※)を取り上げ、その意味と語感のギャップをゆるく楽しんでいくものです。
優秀な中二病の少年少女をIT業界にスカウトすべく始まったこの企画。今回もガンガン攻めていくわよ!
ヴァリアブルフォーメーション!
うわ、びっくりした。
いやぁ、合体ロボっていいですよねぇ。かけ声とともにエフェクトが走ってガシャーン! ギラーン! って鉄の音が響き渡り……ううう、燃えるぅ!
(動画を見ながら)スパロボ……SRX? ははぁ、ゲームのメカね。
室見さんの世代でもあったでしょう? 合体ロボのかけ声。レッツコンバイン!(*1)とかチェンジゲッターワン!(*2)とか。
さりげなく人をアラフォー扱いしてるんじゃないわよ。……まぁ分かるけどね、そのくらいは。一般教養として……って、あんた何してるの?
(ネットワーク機器を組み立てながら)ガキーン! ズキューン! 超鋼合体! 完成、ネクサススイッチ!(*3)
壊さないでよ、高いんだから。でも、なんでわざわざ合体の時に叫ぶのかしらね。別にボタン・レバー操作だけでもドッキングはできるでしょうに。
そこはほら、ノリでしょう。物語の山場、音楽がガンガン流れてる時に無言で操縦だと寂しいじゃないですか。だから主人公もテンション上げ目でシャウトするわけですよ。
……高速機動中のメカ動かすのにハイテンションって危なくない? 気持ちが昂ぶった挙げ句、衝突事故とか起こしそうな気が……。
そんなことあるわけないでしょう! ヒーローなんですから! きっと綺麗に、華麗にドッキングさせてくれるはずですよ。イエイ! 合体、SFPモジュール!(ガッと嫌な音)
あ。
あ。
(*1) コンバトラーV(1976年)
(*2) ゲッターロボ(1974年)
(*3) シスコのハイエンドスイッチ、めっさ高い
(※)思春期の男の子女の子がぐっとくるようなカッコイイフレーズ、名前。ポーズをつけて叫んだりするとなお可。ただし大人になってから同じ単語に接するとなぜか赤面してしまう不思議。

