システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描く電撃文庫の異色作『なれる!SE』。本企画は、その主人公&ヒロインである桜坂工兵と室見立華による“中二っぽい”IT用語の解説コーナーだ。
このコーナーはIT用語の中でも特に中二っぽい単語(※)を取り上げ、その意味と語感のギャップをゆるく楽しんでいくものよ。
優秀な中二病の少年少女をIT業界にスカウトすべく始まったこの企画。今回もガンガン攻めていくわよ。
……って、なんで私ばっか喋ってるのよ。ちょっと? 桜坂? 番組始まってるわよ。
桜坂……ふふ、そいつは今眠っている。
はぁ?
我は奴の中に生まれたもう一つの人格、悪と闇を掌る精神、錯羅坂だ。
また暴走族みたいな当て字を……。
我は影の王、よっていつもの奴と同じように接してもらっては困る。迂闊なことを言って逆鱗に触れても知らぬぞ。
はぁ。
くくっ、久しぶりに解き放たれたから心が軽いわ。おい、そこの幼女、水をもってこい。
よ……。
何をしている。我が指示が聞こえなかったか。早くそのナイチチを揺らしてパシってくるがよい。まったく、貧弱な身体つきをしおって。パンツも子供っぽいな、少しは年齢相応のものを穿いたらどうだ。
(ぷすっ)
ま、待て、我は錯羅坂だぞ。貴様の知る桜坂ではない。迂闊な狼藉をはたらくと恐ろしいことが。
(ぷすっ。ぷすっ。ぷす)
待って! 待ってください室見さん、痛い痛い痛い、マジで怪我しますから!
何よ錯羅坂さん。そんな取ってつけたような敬語使わなくても早く恐ろしいこと起こしてみたら? 私も全力で応戦させてもらうし。さぁ殺し合いしましょう。
いやいやいや、冗談、冗談ですよ。ふざけてただけです。ほら、中二病の一症例、多重人格を演じてみただけです。アイ・アム・桜坂! 他の何者でもありません。
あぁ? 聞こえんなぁ(ドライバーをふりあげながら)。
ぎゃぁああああ! 殺される。ごめんなさい! 助けてぇえええ!
(※)思春期の男の子女の子がぐっとくるようなカッコイイフレーズ、名前。ポーズをつけて叫んだりするとなお可。ただし大人になってから同じ単語に接するとなぜか赤面してしまう不思議。
