システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描く電撃文庫の異色作『なれる!SE』。本企画は、その主人公&ヒロインである桜坂工兵と室見立華による“中二っぽい”IT用語の解説コーナーだ。第8回はディレクトリサービスのお話。開発者の労力を減らす、リソースやユーザーを管理するための仕組みについて紹介します。それにつけても、祝9巻発売!
このコーナーはIT用語の中でも特に中二っぽい単語(※)を取り上げ、その意味と語感のギャップをゆるく楽しんでいくものです。
優秀な中二病の少年少女をIT業界にスカウトすべく始まったこの企画。今回もガンガン攻めていくわよ!
攻めるのもいいんですが、そろそろ守りも必要じゃないですかね? IT業界離れってよく言うじゃないですか。若者が情報処理産業に幻滅して他業界に移っていくって話。
ああ、あるわね。
折角育てた人材がドンドン辞めていってしまうのは会社からしても損害でしょう。室見さんだって僕が辞めたら『OJTの時間返せ!』って思いません?
利子付けて取り立てに行くわね。
利子!?
あんたが使ってた空調、照明、コピー機の費用、社会保険料、全部ひっくるめて月々20万は給与外コストがかかってるわけだから(*1)、その分ちゃんと返してもらうわよ。もちろん私の指導代ものっけてね。
ストップ! ストーップ! 辞めません、僕は辞めませんから! 怖いこと言うのやめてください。……いや、だからですね。それだけの費用をかけて育てた人材がまともに戦力にならないうちに辞めていくって悲しいじゃないですか。だからもう少し離職率……でしたっけ? そういうのが減るような手段ってないかなぁと。
うーん、でもそれって一概には言えないわよ。世の中には辞めて当然なブラック企業もあれば、反対に求職者自身の適性がなかったケースもあるし。何か一つの施策を打てば問題解決って話じゃないわよ。
ぶっちゃけ『もっとお金欲しいから外資系金融行きます!』なんて人もいるわけだし。
どうしようもないんですかねぇ。
一つ言えるのは、もう少しIT業界の実態を理解した上で入社なり転職したりした方がいいかもってことね。あんた、入社前にSEって聞いてどんな仕事だって思ってた?
え? ……あー、ハッカーっぽいことやる? みたいな。
そんな仕事あった?
いえ、ないですね。
でしょ、だからそういう漠としたイメージで入社した挙げ句『考えてたのと違う!』って辞めてくケースが結構ありそうな気がするのよね。私としてはもう少し業界研究というか、もっと言えばインターン(*2)必須くらいにした方がいいかもと思う。
インターンですかぁ……でもあれ結構時間取られますし、複数業界志望してたら全部回るの大変ですよ?
そうね、まぁそんな時間のないあなたに、
楽しく読めてためになる、萌えるSE業界本
『なれる!SE』! 最新9巻は5月10日発売予定よ!よろしくね!
宣伝だった!?
(※)思春期の男の子女の子がぐっとくるようなカッコイイフレーズ、名前。ポーズをつけて叫んだりするとなお可。ただし大人になってから同じ単語に接するとなぜか赤面してしまう不思議。
(*1)大体そのくらいかかってます(某社人事談)
(*2)在学中に企業で一定期間、研修生として働ける制度
